記録③ 化学療法と笑える話【同病者のみなさま向け】

記録②よりつづく
【入院〜化学療法 第1回〜第2回まで ③】

●2018.10.15〜
この週も丸々1週間、
おやすみの週。
わたしの場合の抗がん剤治療のペースは、


抗がん剤投薬 丸5日間くらい
おやすみ期間 2週間くらい
(見た目は比較的元気だしヒマだけど、実は体内では副作用(骨髄抑制など)が生じている→なので、おやすみ?と言うと語弊があるかしら。)
抗がん剤投薬 丸5日間くらい
くりかえし

というサイクルです。
なのでこの10.15の週は、
おやすみ期間第2週目、という1週間。
(だから、抗がん剤治療って、長い。わたしの場合、結局、3週間ひとくくりなので。実際に薬打ってる期間よりも、あいだかあるから。だから、治療期間は長くなってしまう。)
となると、本来ならかなり元気な週であり、リハビリをしたり、白血球が上がれば外出をしたり…が、できる週でもあります。

なんですが。

実はですね、
とてもユニークな1週間になってしまいました。
今では超笑える話なんですが、
この治療がはじまってから、
それはそれは、

実はいちばんツライ1週間でした。笑

今週をひとことであらわすと

「我慢。」

実はですね、、、、





歯が痛くなってしまいまして。

笑笑


まさかのまさかだったんですが、
抗がん剤点滴投薬が終わって3.4日経って、みるみる元気になってきて、うっかり調子に乗ってバクバク食べてた時期、


「なんだか、親知らずが痛い…」

と始まりまして。
調子に乗ったバチがソッコーで当たりました。あのですね、わたしの人生って本当にこんな感じなんですよいつも。笑  悪いことすると、すーぐバチ当たるんですよ。笑 見事なものです。
で、みるみるうちに腫れと痛みが。いちばんピークには、左頬から顎にかけて、オタフクちゃんみたくなってしまいました。
わたくしですね、
親知らず抜いてなくて、左下だけ、ちょっと顔出してて、数年前もそこからバイキン入って腫れて痛くて歯医者さん行って、抗生剤の注射ドーンって打たれてソッコー腫れひく、っていう事件あったんで、

今回も注射とかバシッと打って貰えばきっと大丈夫だ!

なんて呑気に考えてて、
でも痛いんで、院内の口腔歯科に連れてってほしいってお願いしたら、


「チョット、マッタ。」

が入りまして。笑
「えー、歯医者さん連れてってよー、すぐそこじゃーん、痛いんだもーん、せっかく食欲戻ったんだから好きなように食べたいよ〜泣 早くどうにかしたいよー」
って言う内容をビジネスワードに変換して主治医に訴えましたが、


主治医のチョットマッタの理由は、
「骨髄抑制で白血球とか血小板(血を止める役割)めっちゃ減ってるから、歯の処置したら血ぃ止まんねーし、腫れ引かねーから、いまは出来ねーんだよ、てゆか、歯にきたのか、まじか 笑」
という心の叫びがわたしにはしっかりと聞こえましたが、
きちんとビジネスワードに変換されて主治医が返答。
って言うか、主治医、苦笑い100%だった。笑
もういいさ、どうとでも笑ってくれ。笑 てなわけで、2人でげらげら笑いました。



がしかし、

とどめに
主治医からひとこと。

「数値戻ったら、親知らず抜いちゃおうYO、次回もクセになっちゃうからサ。ね、抜いちゃおう、菊地さん」



まじかーーー。

ワタシ、ココニ、

親知らずの治療にキタノカシラ?

爆笑



ということで、
親知らずの治療を急きょすることになった菊地と申します。


まさかここにきて、親知らずを抜くことなんて1%も考えてなかったもんですから、、、、。

「抜くの、ぜったい、イヤ!親知らずって、抜くの痛いって聞くじゃん!」
と主治医とプチ喧嘩を3日間くらいしましたが、
主治医には、
「次回もその次も、今回みたいに骨髄抑制の期間に親知らず(=切り傷がずっとあるからバイキンがいつ入ってもおかしくない)が必ず痛くなる可能性がある。(体内が弱っていて感染や炎症を起こしやすい状態だから)毎回毎回、数日間もまた痛くなるの、イヤでしょう?抜いちゃえば痛いのは、いっときだけだから。」


OK。わかった。わかったけど、わかりたくない。笑
この時はじめて、主治医に
「ぜったい、イヤです。」と言うフレーズを使い、本当に、父と娘のようだった 笑。
なぜか歯だけには弱気なバカ娘は、お父ちゃんを、はじめて困らせた。笑


そんなわけで、
骨髄抑制の所為で、歯医者さんの処置は出来ないとなり、

なんと丸1週間、痛み止めの薬だけで、放置だったんです。笑

Dr.たちも、それしか出来ることが
ないのです。理屈も理解できるし、こればっかりは、しかたない。
しかしまあ、「歯が痛い経験者」のみなさんは、よくわかると思いますが、

歯が痛いって

本当に痛いんですよね。

どうにもならないんですよね。
痛み止めもまあまあしか効かないんですよね。

さらに笑えるんですが、
そんな中、拍車をかけるかのように、
この週は病室の入退院が騒がしくあって、超わがまま・文句タレタレ90歳おばあちゃんの文句が四六時中聞こえてきたり、痛い痛いと四六時中言う80歳おばちゃんが入ってきたりして(今ではこの2人とも仲良し 笑)、


まさに

生き地獄、ここにあり。

という1週間でした。笑


予定外の痛みだし、治せる痛みなのに治しに行けないし、とりあえず痛いし、ごはん美味しく食べらんないし、周りは騒がしいし、、、

最悪の最悪。

極上の最悪だ。


そしてこのとき、はじめて、
本当にはじめて、
自分のビョーキを呪いました。
「なんで、好きなように歯医者さんにも行けねーんだよ!!」という呪い。笑
(なんかこの呪いの方向、間違ってる気がするけど。)
そうです。
こんなとき、人は何が出来るか。
そうです。

我慢

です。それしかなかった。
わたし、本当にありがたいことに、こう見えてわりと裕福に育てて頂いてもらったようでして、
小さいころから、「究極の我慢」みたいな経験、わりと少ない人間なんですきっと。



なるほど、神さまは

ここでぶっこんできたか。



OK。受けて立つわ。
究極の我慢。そして見出した、
わたし流、我慢の方法。
(マネしないでください)
  1. ふて寝する。痛い痛いと思ったら寝る。寝れる痛みならきっと大丈夫と思い込む。
  2. この状況すべてが最悪だとムカつきが止まらなかったら、ハードロックもしくはメタルなどを爆音で聴く。(音楽、いつもありがとう。)
  3. とにかく動いて痛みを紛らわす。体力づくり、筋トレに勤しみ、無になる。

そんな1週間でしたとさ。笑
大変だったなぁ。
ずいぶん落ち込みました。
ずいぶんイラつきました。

でも、

事が過ぎれば、こうして笑い話になった!

そのときは、こんなに面白おかしい話になるなんて1ミリも思えなかった。
まじで痛かったから。笑
そんなこんなで、
この1週間も、あっという間に過ぎていったのでした。




注)このBlogは、「とある患者のとある話」です。記載情報にまつわる内容は必ずしも全ての患者さんに当てはまることはなく、専門性や信用性に欠けます。的確な判断や正しい情報は、主治医や各医療専門機関にご相談・お問い合わせをお願いします。
photo by MAYAMAXX

Rei.Kikuchi_ Re:Life

キクチレイの"リ・ライフ" ◻︎◻︎→ ▷ 一時停止ボタンを再生ボタンへ。 ふたつの四角を三角にしていく記録。 2018年秋より、骨肉腫サバイバー。

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