たかい山の向こうから風が届いた日

病室のベッドから大きな空がみえる。
空をゆっくりみると、散り散りになっている気持ちが、ペタッと土台にくっつくので、うれしくなる。
なんか…よかったなぁ、と思う。


たかい山の向こうから、
風が届いた。
あおいでみる。

うつくしく、やわらかくて、やさしくて、おいしい風である。
おどろいた。
ほんものの風だった。
昔から、外が好きなので、
風を感じられることは生きていることとイコールだと、いま、とても、思う。
こうして無事に、
風をあつめることができたわたしは、
きっと大丈夫だと思った。
photo by
vent de moe
「-夏の美しい友達-」より


風をあつめて・矢野顕子

Rei.Kikuchi_ Re:Life

キクチレイの"リ・ライフ" ◻︎◻︎→ ▷ 一時停止ボタンを再生ボタンへ。 ふたつの四角を三角にしていく記録。 2018年秋より、骨肉腫サバイバー。

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