歩いた!


とうとうこの日がやってきた。
やっとやっと、

1本杖で、歩きました。



なんと、約半年ぶりです!
両足ついて、踏み出して、進む、という行為が、約半年ぶり!
久しぶりすぎて、笑えます。
そして、久しぶりに、
「あぁ、自分の足で歩いてる。」
と体感しました。



先週くらいまで、ずーっと松葉杖だったんですが、
なぜか、ほんとに急に、歩けるようになってしまって、自分がいちばん驚いています。笑
ハイハイしていた赤ん坊が、
立ったと思って次気づいたら、わ、歩いてる!歩いた歩いた!こりゃ、めでたい!
って出来事におそらく似ていて、身内はとても喜んでくれました。



29才、歩いたら、まわりが喜んだ。笑



でも、嬉しかった。
最近でいちばん、嬉しかった。
わたしも、胸が熱くなりました。



まだまだ膝関節の金属が不思議な感覚だし、とにかくまずは筋力がアリさんレベルだし、まだまだむくみもあったりして、歩き方はクッソ下手ですが(動画参照。なんかこのアプリ、動画貼り付け出来なくて…スマセン。みんな観れたかなぁ??仕方ないのでInstagramに載せた動画につながるURLを添付してみます。涙 ↓




でも。




足を残して良かったな。

足を残せて良かったな。




と、
手術後はじめて、つよく感じました。
やっと、はじめて、そう思えました。



なんでやっとかって。
相変わらずリハビリが大変だし、
見た目は自分の足だけど、
意思通りにまったく動かないヘンな重い物体!って感じなので、

「異物感」

の方がずっと強いし、


「ナンダコレ?重っ!」


って。
自分の足とは感じられず、受け入れきれず、この重い物体を使って歩くなんて、果たして出来るのか?とずっと疑心暗鬼になっていました。




でも、それでも、
怒涛のリハビリ生活のおかげもあり、
やっと動くようになって、
やっと力をかけられるようになって、
やっと踏み出せるようになって。



あたりまえのことですが、
足を踏み出せるようになったら、
前へ進みました。
前に足を踏み出す、そのくり返しが、
「歩く」と言うことである、と学びました。



歩けるようになったら、
出来ることが増えました。
出来ることが増えたら、
元気がたくさん湧きました。
やりたいことや行きたいところが
たくさん思い付きました。


そして、
つま先まで、自分の皮膚の感覚があるということ。
「あぁ、"自分の"足で歩いてるなぁ」
って思えること。
それはあたりまえであって、
あたりまえじゃないこと。
それは尊くて、ありがたいこと。


しみじみ。
ありがとうございます。




ここまでのリハビリ方面を振り返ると、

1.10 手術
ギプス & 車イス生活
2.15 ニーブレース(簡易ギプス) & 松葉杖生活
2末 ニーブレース無し & 松葉杖生活
3上旬  松葉杖 1本生活
3.08  ロフストランド杖(腕にはめるカッコいい杖) 生活 ←イマココ
いずれは 独歩(=杖なし歩行) ←goal!



というわけでまとめると、
手術から約2ヶ月で、
1本杖生活ができるようになりました!




絶望と苛立ちで溢れ返っていた、あの地獄の日々(手術のこと 笑)から約2ヶ月。



人間の身体と本能すごすぎー。

です。もう、このひとことです。



再生力。回復力。
そして、約半年も歩いてなかったのに、身体と脳神経は、ちゃんと歩くという行為を、覚えていてくれました。



それはもう、本能なんだと思います。
本能が、ちゃんと、働いている。
怒涛のリハビリ生活で、
しょっちゅう感じています。
本能が、混乱すると、ほんとに動かないんですよ 笑。
脳神経を、うまく使えないと、ほんとにピクともしない。




動かしたいという意思は、
神経を通じて筋肉などに伝わる。
そのあたりまえの導線のどこかが混乱したり、からまってしまったり、眠ってしまうと、ほんとに動かないんです。
でもいつか動かさないと、永遠に動かなくなってしまう。なのでリハビリをする。そのくり返しでした。




今まで無意識にやっていたことを、意識しなければならない。




それは時に困難で、苦痛で、不快で、酷な行為でしたが、



やるしかなかったので、
やりました。


意思が神経に伝わり、動かしたい部分が動いた瞬間のその度に、
心の中でガッツポーズ!
「よっしゃ、動いた。きっと大丈夫だ。」
その、くり返し。


(動かしたいという)意思があるのに、身体が動かない。
そんな体験は、日常では滅多にないことですが、
神経系の怪我や病気の方、老化に伴う機能の衰退、そのほかいろんなケースがあると思いますが、
それが、日常である人が、この世界にはいます。



意思どおりに身体を動かせる尊さ。
なによりも歩けることの尊さ。



怒涛のリハビリがつらいときはいつも、
「歩きたくても歩けない人だっているんだ。わたしは頑張れば歩けるようになれるんだから、頑張らなくちゃなんだ。」
と自分に言い聞かせて頑張りました。


そんなリハビリの日々、
脳と神経をたっぷり使う(もちろん肉体も)ので、
よく疲れてしまい、
早い日は20:30に眠ってしまうこともありました。うん。小学生?笑
そんなわけで、Blogの更新もとどこおりまして…←言い訳。




1本杖生活になり、
出来ることが増えて本当に嬉しくて、
毎日とてもゴキゲンです。 気づいたら鼻唄うたっちゃってる。


松葉杖って本当に不便で、
両手が使えないので、液体の入ったうつわを運べないのです。
なのでいま、ちょっとしたモノをサッと片手で運べたり、歩いていて顔がかゆくてもかけるし 笑、松葉杖のせいで、服の両脇がスレて服がすぐにボロボロになっていたのも解消されたし、とにかくいい事ばかりです。



歩けるって、
やっぱり、いいことだったんだと、
人生で、はじめて、
身をもって知りました。


なので
わたしはいま、
歩けてるだけで、
本当にしあわせです。




人間というものは、
とにかく
欲深く・都合のいい生き物のようです。


歩けなかった自分が、
歩けるようになったら、
今度はもっと上手に歩きたいと思うようになりました。


あれだけ手術は痛かったのに、
日が経ち痛みが消えたら、
どれだけ痛かったかを、
ほとんど忘れてしまいました。


外の空気を吸っただけでしあわせと言っていたのに、
今度は外を散歩したいと言うようになりました。


欲望というものは、
使い方によってはおそろしいものと化してしまうけれど、
清く・正しい欲望は、
ヒトが動くため、
活力の源となっているんだなぁと
シンプルに感じています。


欲望は、ヒトを動かします。
(そして動くために、
わたしは足が欲しかった!)


欲望は、尽きないもの。
欲望を、清く・正しく・粛々と、
持ち続けたいと思う。


いろんなこと(いいことばかりじゃないよね )があるこの毎日とこの世界。
それでもみんなが、なるだけ、嬉しそうに暮らしていてほしい。


それはわたしの
大きな欲望です。


追記


最近の入院生活では、どーせ暇こいていったい君は何をやっているのか?という質問をしたくなると思いますが、怒涛のリハビリの合間の時間を使って、確定申告を作ったり 笑、身体障害者手帳(4級になる見込み♡)や障害年金について調べたり、障害者に向けた社会保障制度について調べたり、案外やること盛りだくさんで、各所に問い合わせをしたり、と、こう見えて忙しくしていました。
でも、おかげさまで、社会保障制度や行政サービスについてわりと詳しくなったので、プロにはかないませんが、同病者の方で質問があれば、お申し付け下さい。自分のケースを中心に、ざっくりなら説明できます。
手続き書類たくさんだし、なによりも入院中で窓口に直接行けないので、遠隔操作がけっこう大変ですが、いい大人なので、そういうことも、しっかり、頑張っていきます。
なんか、自慢っぽくなって、すみません。何を言いたいかと言うと、「暇こいて昼寝ばかりしてるわけじゃないよ!むきー!」って言いたかったのです。笑

注)このBlogは、「とある患者のとある話」です。記載情報にまつわる内容は必ずしも全ての患者さんに当てはまることはなく、専門性や信用性に欠けます。的確な判断や正しい情報は、主治医や各医療専門機関にご相談・お問い合わせをお願いします。

Rei.Kikuchi_ Re:Life

キクチレイの"リ・ライフ" ◻︎◻︎→ ▷ 一時停止ボタンを再生ボタンへ。 ふたつの四角を三角にしていく記録。 2018年秋より、骨肉腫サバイバー。

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